寝技(固め技)で勝つ為の考え方
柔道の試合に勝つには、寝技(固め技)も大切になります。実際にオリンピックなどの国際大会を見てもわかる通り、寝技が重要視されており、1本勝ちの半数近くが寝技となっています。
特に中学生や高校生などの伸び盛りの選手の場合、寝技の真剣な練習の取り組みという方向性が全日本柔道連盟でも打ち出されています。
もちろん立ち技で1本が取れればそれにこしたことはないですが、レベルが上がってくればなかなかそうはいきません。
柔道では立ち技から始まるので、寝技(固め技)の場合は、自分が技をかけた時、もしくは相手が技をかけた後、その他に組手争いでどちらかが潰れた瞬間など、色々な立ち技から寝技への移行のパターンがあります。
投げてそのまま抑えるというパターンを除いては、相手の背後から攻める、逆に相手から背後から攻められるという裏表と、お互いが向かい合って引き込む、あるいは引き込んだ相手を上から足をさばいて攻めるという裏表の2つに大きく分けられます。
そう考えた時に、こちらが一方的に有利な状況というのは相手が背中を向けたうつ伏せ、あるいは四つん這いになって背中を向けた状態です。
当然、相手は下を向いているので、上にいる人が何をしようとしているのかわかりません。上から攻める選手が色々なパターンを持っていたとしたら、何が来るのかわかりません。
下にいる選手から攻めるというのは、中級レベルの戦いではかなり難しいでしょう。
次に一方が仰向けになった場合、その相手を上から攻めるという状況は、下になった仰向けになった相手が、足を自由に使えるような中上級レベルの選手同士なら五分と考えていっても良いかもしれません。
但し、レベル的に足を自由に使うことが出来なくて、すぐに相手に足をからめてしまう、相手が怖くてすぐにうつ伏せになってしまうというレベルという選手なら、どう考えても上の人が有利です。
最初は寝技でどのように入ったらいいのか?どのように攻めたらわからないかもしれませんが、中学生、あるいは高校生のうちにひとつのパターンでも良いのでもっておくことが必要です。
相手がこのように逃げたらこう抑えに行くといいった流れを掴んで、尚且つ自分の得意技として試合で抑え込めるようにしておくことが大切です。
柔道では、立ち技で投げても一本ですが、寝技で抑えても、あるいは間接を決めても一本なので、立ち技からの連携を身につけて強化しておくことが重要です。
また、自分が倒されたとしても、不利な状況からでも一本を取ることも考えなければ中上級レベルでは勝てません。
寝技の練習は妥協してしまいがちですが、しっかり練習を積み重ねることで、寝技のみならず、立ち技を含めた柔道そのものが上達し、強くなれる筈です。